根管治療コラム

根管治療の歯医者さん選びで失敗しない~10個のポイント~

根管治療の歯医者さん選びで失敗しない~10個のポイント~

1.歯科医師が担当制である

歯医者さんによって治療をする歯科医師が担当制のところと毎回変わるところがあります。根管治療は通常複数回かかるたため、治療の方針や前回までの治療の進み具合の確認な ど、複数の歯科医師が担当すると治療上のトラブルが出る可能性があります。
院内に根管治療の専門の歯科医師がいるため複数の担当医が診療する場合などを除いて、しっかりと治療を治療したい場合は歯科医師が担当制の病院を選ぶ必要があります。

2.レントゲンを撮影してしっかり治療の説明をしてくれる

治療の前、治療が終わった後にレントゲン撮影を行う必要があります。根管の状態(腫れの状態、根の本数、管の本数)の確認のためにはパノラマ写真と呼ばれる口全体をとる写真ではなく、歯の状態がより正確に診断できる小さなレントゲン写真の撮影が必要となります。これを撮影し、治療の方針や治療回数を説明をきちんとしてくれる歯科医院を選びましょう。治療が終了した後も充填材(治療後の根管を塞ぐための材料)が緊密に詰められているか確認が必要となります。根管治療の場合は根の中という目で確認できない部位を治療するため、レントゲン撮影は必須となります。

3.ラバーダムを使用している

根管治療の目的は唾液に含まれる最近の感染を防ぐことです。そのため治療で一番大切なのは唾液の侵入を防ぐための環境が整っていることです。 具体的にはラバーダムと呼ばれるゴムのカバーを必ず使用していることが必要となります。
マイクロスコープやCTといった最新の設備は大切ですが、一番大事なのはそれらの器具を生かすための無菌的な環境です。

4.器具がしっかりと滅菌されている

機材の滅菌は、安心して治療をうけるためにとても重要です。患者ごとに治療器具が滅菌されていること、歯を削るための器具は勿論ですが、ファイルと呼ばれる根管内を治療するための針のような器具もきちんと滅菌されていることが必要です。また消毒に使うための洗浄針やシリンジも使い捨てであることが望ましいです。これらは患者ごとでの器具の使い回しによる菌の感染を防ぐために必要となります。アンケート調査によれば歯科医院の半数近くは、歯を削るタービンという器具を患者ごとに滅菌をしていないという報告もされています。

5.顕微鏡(マイクロスコープ)を使用している

肉眼で行う治療では、根の中は暗くほとんど見えません。手の感覚だけで治療をする状態となってしまいます。虫歯の取り残しがあるかどうかの確認も難しく歯の削りすぎなども起きやすくなります。治療の成功率に大きく影響をしますので、根管治療をする際にはマイクロスコープでの治療をしている歯科医院を目安に選ぶと良いです。マイクロスコープの使用には技術がいるため、時々使用するのではなく日常的に使用していることが必要となります。

6.治療時間をしっかりとってくれる

1回の診療時間を30分前後かけて治療してくれる歯科医院を選びましょう。麻酔をし、ラバーダムを装着した後に仮の蓋を外すといった治療の準備だけでも時間がか かります。治療の準備、説明なども含めると30分程度の予約時間でも実際の治療は20分程度となります。ですから、初めから予約時間が15分〜20分程度ではほとんど治療が進
みません。根管治療に回数がかかりすぎると、その間に細菌の侵入や、噛み合わせの変化なども起こりやすくなります。

7.CT、ニッケルチタン、MTAセメントなど新しい機材を導入しているか

最新の機材を導入していると、診断や治療の幅も広がります。根の状態を3次元的に把握するCT、曲がった根管を最小限で切削するためのニッケルチタンファイル、歯に開いてしまった穴を塞ぐためのMTAセメントなど、最新の治療器具や材料を使用することで、初めて治療が可能となる場合もあります。

8.自分で治療できない場合には適切な医療機関に紹介をしてくれる

歯科医師にもそれぞれ専門や得意な分野があります。治療が困難であり専門の治療が必要と判断した場合に、全てを自分で解決するのではなく専門の医療機関への紹介、院内の 専門の歯科医師への担当変更などを行える歯科医院の方が責任感があると言えます。全ての治療を1人の歯科医師が完全にこなせることは非常に稀です。欧米では根管治療は専門性が高く、一般の歯科医師は治療を行わず専門医へ紹介をする国もあります。

9.専門医やそれに準じる資格を持っている、専門機関での研修を受けている

根管治療の専門(歯内療法専門医)や大学の専門外来(歯内療法外来など)での研修を受けている、または根管治療を専門と標榜している歯科医院は根管治療に関する知識、技術があると考えられます。根管治療をしっかり治療したいと考える場合は歯内療法専門医の受診が適切です。歯科医師の専門といっても分かりづらいかもしれませんが、自身の過去の症例記録などを使いながら治療の説明をしてくれる歯科医師であれば十分な経験があると考えられます。

10.自由診療で根管治療を行っている

上記のような治療を行う場合はどうしても治療の時間やコストがかかるため、根管治療専を専門にする歯科医院の多くは自由診療での治療を行っています。日本での保険診療によ る根管治療は世界的にも見ても非常に治療費用が安いため気軽に治療が受けられますが、コストの問題から質の高い治療が行われていない場合が多々あります。

 

安いから悪い、高いから良いということではなく、ルールに則った適切な治療を行う場合に適切なコストがかかり、結果として保険ではコストが賄えないため自由診療となっていきます。自由診療でも上記のルールを守らず治療を行えば治療は上手くいきませんので、自由診療を選択する場合は経歴や経験が豊富な歯科医師を探す必要があります。